災害時はデマによるパニック状態が起きやすい

災害時はデマによるパニック状態が起きやすい

大災害が発生した場合、受け取れる情報は限られてきます。そんな中、面白半分のデマや信ぴょう性のない情報が、どれだけ危険かを解説します。

どう考えてあり得ないような情報だとしても…。

「それはさすがに信じないだろう」という情報でも、災害という情報が限られた状態のなかでは急に信ぴょう性が高くなります。これは何とかして情報を得ようとしたなかで手に入る貴重なものだからでしょう。
その内容が「今まさに迫りくる危機」のような情報ならば、パニック状態が発生します。

ちなみに、災害心理学でいう「パニック」とは「災害や事故など難を逃れようとして、人々が限られた避難口に我勝ちにと殺到すること」指します。(人はなぜ逃げおくれるのか 災害の心理学 (集英社新書) [ 広瀬弘忠 ]より)

パニック発生の条件は4つ

パニックは4つの条件がほぼ同時に満たされたときに発生します。

  1. 差し迫った危険が存在するという認識が人々の間にあるとき。(単に思い込むだけでも)
  2. 脱出可能なとき。
  3. 脱出路(脱出口)に制約があり、全員は避難できそうにないとき。
  4. 正常なコミュニケーションが欠けているとき。

この4条件を見ながら「新型コロナウィルスでトイレットペーパーがデマ情報で無くなる」という状況を例に考えてみましょう。
まず、情報の少ない謎のウイルスが発生したことにより、不安な状態になりました。そこへ「日本はもうだめだ。海外から商品が入ってこなくなる。材料不足でトイレットペーパーがなくなる」という条件1。だが、今なら在庫が確保出来ているぞという条件2。購入者が殺到し、品薄になるという条件3。ネットやSNS、口コミを鵜呑みにしてしまうとう条件4。
ネット重視の昨今では、この4条件がそろうのはかなり早く、拡散力もありますから、一瞬にしてトイレットペーパーが店頭から消滅したわけです。

パニックを防止するには?

ではどうするかというと、この4条件がそろわなければよいのです。

今回の例で解消できるところを考えるとすれば、3と4でしょうか。
やれるかどうかは別として、毎日のように店頭にトイレットペーパーを山積みにし、情報がデマであることを効果的に発信できれば、パニック状態は起きないでしょう。

一人ひとりが一度冷静に思考することも大事でしょう。
マスクとトイレットペーパーは同じ紙でも材料や製造工程が微妙に違います。なにより、トイレットペーパーは日本での製造がほぼ100%です。

まとめ

災害発生時は、情報収集が困難です。だからこそ、ちゃんと考える冷静さが必要です。
今回の新型コロナウィルスに関しては、情報を手に入れる手段がいくらでもありますが、災害時のテレビもスマホも使えない状況下では、停電時でも使える電池式(もしくは手回し式)のラジオがオススメです。

ちなみに、私の妻もトイレットペーパーを探しておりました…。

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